作られた近現代史…日帝時代「強制徴用」という神話④

メディアウォッチというサイトからイオヨン氏。

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三番目に扱うテーマは「未払い賃金」の問題だ。
この問題は1965年の韓日協定によって個人請求権が消滅したものではないという立場と対立している。

当初、今回の最高裁判決の原告が求めていたのはまさにこの「未払い賃金」だった。
しかし今回の判決において、これに対する直接の言及はなかった。
しかし、「未払い賃金」の問題は、またいつ韓日間の争点になるのかわからない重要な問題なので、このコラムにおいても明確にしておきたいと思う。

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▲これは強制徴用当時に炭鉱に落書きされていたものだと間違って知られているが、この落書きは実は朝鮮総連系が製作した映画のセットとして演出されたものである。韓国のインターネットにも、反日強迫観念に対して批判的なサイトがあるが、調べてみれば真偽を簡単に確認することができる。

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▲日帝時代の労務動員問題と関連したイオヨン研究委員の研究成果は、ソウル大のイヨンフン名誉教授などによって高く評価され、韓国経済新聞など一般メディアでも本格的に知られ始めた。


韓国人は、1939年から1945年までの7年間に日本に行った72万4千人の朝鮮人労働者が、日本企業から貰っていない「未払い賃金」が巨大な金額だと思っている。
韓国人の大半がそう思っているといっていいだろう。

しかしこれは事実ではない。
巨額の未払い賃金については、少なくとも歴史的な史料によって証明されていない。
事実、筆者はこの「未払い賃金」の問題を専門的に研究した学者を一人も知らない。
つまり、資料(すなわち歴史的な証拠)に基づいて、「未払い賃金」の問題を研究した文献が国内にはまったくないということだ。 

それにもかかわらず、一般国民だけでなく、政府機関、研究者、ジャーナリストなど、ほぼすべての韓国人は「未払い賃金」が巨額だと誤解している。

結局この問題は、研究者の責任が大きいとしかいえない。
「反日主義」に傾倒した研究者たちが、具体的な根拠も提示せず、韓国人にそういった幻想を持つことを助長してきたのである。

巨額の未払い賃金という幻想はいかにして生じたのか?
まず、「未払い賃金」ではなく、正確には「未払金」と呼ぶべきだという点を指摘したい。
なぜならその中には、賃金だけでなく、諸手当、帰国旅費、各種積立金のように、朝鮮人労働者が退職したときにかれらに支給すべきいくつかの項目が含まれているからである。

韓国人は、1939年から1945年まで、日本企業が朝鮮人に対して長期間賃金を支払わなかったので未払金が発生したと思っている。

しかし、先に話したように、賃金は普段は普通に支給されていた。
戦争が終わったすぐ後、自らが受けるべきお金があったにもかかわらず、それを精算せずに急いで帰国した韓国人が多かった。
まさにその過程で「未払金」というものが生じたのである。

実際、未払金の内訳をみると、賃金よりも積立金のような別途項目の金額のほうがはるかに多い。
これは、1945年8月15日の直前まで日本企業が賃金を正常に支給していたということを示しているのだ。

結局、「巨額の未払金が残っている」という幻想は、「日本企業は朝鮮人に賃金を支払っていなかった」という歴史歪曲のせいで生まれたものである。

この未払金は、実際のどれぐらいの金額だろうか?
計算するとだいたい3~4ヶ月分の給料程度だったと思われる。
「供託文書」という資料を見れば、これを知ることができる。 

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▲江迎炭鉱の賃金台帳写真

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▲労働時間、賃金、手当、控除項目などが詳細に記載されている賃金の内訳。江迎炭鉱のほか、当時の朝鮮人たちの賃金の現実が分かる資料は多い。したがって検証も難しくない。


日本政府は敗戦後、退職金のようなものを受け取らず、急いで帰国する韓国人たちがたくさんいることを知って、いつか韓国人たちはそのお金を請求するだろうと予想した。
だからそのお金の処理を国家機関に任せた。
これを「供託」と呼ぶが、資料を見ると1人当たりの未払金がどの程度なのか知ることができる。

一つの問題は、未払金額がわかっても、その金額が何を意味するのか、例えば1000円というとどのぐらいの価値があるのか​​、これを知ることは困難である。
当時の賃金や物価が分からないからである。

筆者はしばらく前に、長崎の隣にあった江迎という炭鉱の賃金資料を手に入れた。
1944年8月の炭鉱労働者の月給は約150円から200円であり、その後に物価が大きく上昇した。
したがって1000円なら約3〜4か月分程度の賃金と見ることができるものである。 

結局「巨額の未払金」という神話が生まれたのは、資料調査を怠った研究者のせいであり、それをそのまま受け入れて簡単に信じてしまう政府、マスコミ、教育機関のせいだというしかない。

筆者は私たちの祖先が高額のお金を日本に残したまま対策もなく帰国したほど愚かだったと考えていない。
事実「巨額の未払金」という幻想は、韓国人の祖父を経済概念がない馬鹿扱いすることに他ならない。

また、仮に未払金が非常に多かったとしよう。
しかし、だとしても、その額は日本人が朝鮮に残した私有財産、すなわち農地や家、工場のような不動産や様々な財産と比較すると、わずか数千分の一、数万分の一に過ぎないものだ。

1965年の韓日協定によって個人請求権まで消滅したものではないという一部の主張がある。
しかしこれは日本も同じだ。
韓国が個人請求権が残っていると主張すれば、日本だってそういう主張ができる。

先に言ったように、15万人ほどの韓国人たちが、今回の最高裁判決を根拠にして、日本に慰謝料を請求したとしよう。
これに対する対抗の次元で、日本人が韓国に残してきた財産を請求した場合、私たちは耐えることができるだろうか? 

筆者は未払金の請求は、間違いなく韓国にとって不利な行動だと自信を持っていえる。
日本が当時韓国に置いていった財産は、当時の韓国の国富の9%水準と推定されている。
未払金を返してもらおうとすると、今の釜山や慶尚南道レベルの国富を日本に戻さなければならないということになるが、果たしてそのような取引をする必要があるのか?

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▲日本は供託文書を完全に保存している。韓国に与えなければならないお金をこうして完全に記録しておいた日本が、韓国から貰わなければならないお金をどれだけ徹底的に記録しておいただろうか。日本人個人がそれについて一つずつ請求書を出してきたとき、私たちはそれに耐える準備ができているのか。

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▲日帝時代の労務動員問題と関連したイオヨン研究委員の研究成果は、「日本国際問題研究所(The Japan Institute of International Affairs、略称JIIA)」によって英語に翻訳され、「Japan Review」と呼ばれる国際学術誌に掲載され、国際学界にも広く知られるようになった。


韓国と日本は、今近現代史の問題と関連しては、真実をもって互いに会話すべきとき

今回の最高裁判決は、労務動員を「強制動員」「奴隷狩り」「強制労働」「奴隷労働」と規定した歴史歪曲に基づいて行われた。
こういった歪曲は実証に耐えることができない。 

- 可能な限り長く見積もって8ヶ月間だけ実施されていた「徴用」を除くと、朝鮮人労務動員は基本的に自発的意思に基づいて行われた。

- 被徴用者を含む労働のために動員されたすべての朝鮮人は、日本人とまったく同じ規則に基づいて等級と待遇を受けた。 

- お金を貯金して家族に送金した朝鮮人たちも多かった。また他の多くの朝鮮人たちは、自分が稼いだお金を酒や肉を買って食べることに使ったりもしたし、さらに「特別慰安所」の朝鮮女性たちに使ったり、ギャンブルに費やしたりした。

最後に、筆者は司法の今回の判決を含め、これまで韓国が日本に対してよどみなく噴出させてきた感情は、実際のところ日本が自ら招いたという側面も決して少なくないことを指摘しておきたい。

残念ながら、歴史的実体を見ようとしなかったのは韓国だけではない。
日本も、学界やマスコミ、政府、どこも20世紀初頭に実際に生きていた人々の生活や鮮やかな歴史的実体を見ようとしなかった。
法理的判断とそこから出る結論に執着していた。 

これは知的怠惰である。
そして朝鮮総連系の「研究者」が作った「通説」に、日本の知識人も抵抗する勇気を見せなかった。
このように事実を無視する態度では、韓国の一部の「反日主義」に勝つことなどできない。

誤った歴史認識に基づいたコンプレックスに満ちた隣人をそのままにしておくのは、日本にとっても望ましくない。
両国は今、偽善と体面を脱ぎ捨てて、真実を元に互いに対話すべき時だ。


イオヨン

引用ソース
http://www.mediawatch.kr/news/article.html?no=253741







>>両国は今、偽善と体面を脱ぎ捨てて、真実を元に互いに対話すべき時だ。

日本はできるけど、韓国が無理でしょ。
ただし、


>>残念ながら、歴史的実体を見ようとしなかったのは韓国だけではない。
>>日本も、学界やマスコミ、政府、どこも20世紀初頭に実際に生きていた人々の生活や鮮やかな歴史的実体を見ようとしなかった。
>>そして朝鮮総連系の「研究者」が作った「通説」に、日本の知識人も抵抗する勇気を見せなかった。

これには賛成。
日本側がナアナアで済ませようとすればするほど歴史問題はこじれていく。悪化し、長期化する一因になる。
韓国を納得させる必要もないし、韓国と合意するために妥協する必要もないんだよ。
日本は韓国が激怒しようが事実をきちんと叫び続けるべきだったし、今後もそうしないといけない。



*四回シリーズにした記事、これで終わりです。
このメディアウォッチというニュースサイトの代表顧問の「邊熙宰(ビョンヒジェ)」氏が名誉毀損の罪で逮捕、起訴されて執行猶予なしの懲役2年の実刑判決が出されたという話をこないだしました。邊熙宰氏側は上告しましたが、果たしてどうなるか。
もし仮に最終的に勝訴したとしても、長い長い法廷闘争によって時間とお金を奪われて疲弊させられるのは間違いないでしょう。


作られた近現代史…日帝時代「強制徴用」という神話