大韓民国には国家戦略があるのか

趙甲濟(チョ・ガプジェ)の超少数派サイトから李春根氏
李春根氏は日本でも本を出してるわりと有名な人で、普段は別のところで文筆活動してますね。

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大韓民国には国家戦略があるのか

李春根


19世紀末とそっくりな北東アジア情勢

英国を米国に、ロシアを中国に変えれば、19世紀末の北東アジアと同様の国際政治の支配権

●米国が戦争を支持しないまま、中国に押されて2位になることは絶対にないだろう
●日本の夢は、アメリカの肩を持って中国を牽制することにより、アジアの覇者の席を取り戻すこと
●米国は、ハワイ、カリフォルニアなどで日本軍を連れて上陸作戦訓練をさせるほど
●安保は米国、経済は中国と一緒にするという安米経中は、国際政治の基本を無視する不合理な概念


中国の挑戦

中国は、資本主義的発展を介して経済的大国になると同時に、政治的・軍事的大国への道も共に追求している。

2010年、経済力総量で日本を先行して世界2位の経済大国になった中国は、本格的に、露骨に米国が現在占めている国際的地位、すなわち覇権的地位を取るという意図を示す行動に出た。

中国が言う新型大国関係とは、米国に中国の地位を認めろということで、中国海軍力の増強と、南シナ海で中国が見せる覇権的行動は、中国が野心を実践するためのプロセスとして必ずすべきことをしているだけだ。

海を制覇しないまま、世界覇権国になることはないということをよく知っている中国は、南シナ海を中国の内海にする努力に熱心である。
中国がこのように努力するのは、中国が間違っていて無作法な国だからではない。
通常の大国化への道を踏んでいるのだ。

米国は当然、中国のこのような歩みを防ごうとする。
米国がそうするのも、米国が間違った国だからではなく、覇権国として正常にする必要のあることをしているのである。
歴史上、どの覇権国も、挑戦者に対して覇権的地位を平和的に譲歩したことはなかった。

ある日、米国が覇権国の地位を失い、中国が覇権国として登板する日が来るために必ず先行すべきことは、米国と中国の間の大戦争である。
米中大戦争で中国が勝利しない限り、中国は決して覇権国になることはできない。
韓国の人々はあまり分かってないが、米国という国は、戦争に負けでもしなければ、中国に押されて2位になることなど絶対にない。

このように、米中覇権競争が露骨になっているなか、国家戦略を立てていかなければならない両国がある。
日本と韓国である。
国家戦略とは、国家の目標を設定しておいて、それを達成するために設計された諸方策を意味する。

良い国家戦略がある国は、国の目標を達成することができるが、そうでない国は、国の目標を達成できるどころか、むしろ支離滅裂な地獄に陥る。
国家がゲームを繰り広げる領域が、それだけすさまじいところだからである。
力もなく戦略もない国は、衰亡の道を歩くしかない。

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↑カリフォルニアでの日米合同訓練


機会を捉えた日本

中国が米国に挑戦する機会に乗って、日本はしっかりした夢を実現している。
日本の夢は、過去70年の異常(非正常)から抜け出して、再び正常な国家、あるいは彼らが言う「普通の国」になることである。
日本の夢は世界の覇者ではないが、少なくともアジアの覇者になることなのだ。
平凡な用語を使えば、日本は世界のすべての国の夢である「強大国」になりたいのだ。

日本は現在、異常な国家だ。
世界のすべての国が(自ら放棄しない限り)みんな持っている常備軍(standing army)もない国であり、自国の軍事力を国軍とも呼んでいない国だ。
手段としての戦争さえ放棄した国だ。

このすべては、日本が自ら望んだものではなく、米国が強要したものである。
日本の左派が固守しなければならないと主張するという驚くべきことが起きているが、実際は日本の平和憲法は、米軍占領軍司令官マッカーサー元帥が強制的に押し付けたものだ。

第2次世界大戦直後、米国の目的は、日本を脆弱な農業国、非軍事国家にしてしまうことによって、戦争できない国にすることであった。

もちろん国軍と呼ばれもしない日本の自衛隊だが、実際には非常に強大である。
特に日本の海上自衛隊は、米海軍に次いで世界2位程度と見ても構わないほど強い。

今までは侵略戦争の元凶として、そして戦争に敗北したため、しょげて生きていた日本は、米国が日本に戦争できる能力を再び持つことができるようにしてくれる日と出会った。
日本はいよいよ通常の普通の国になることができる機会と出会ったのだ。

私たちは、日本が勝手に帝国主義の道を再起動すると懸念しているが、2012年の安倍2期内閣発足以来、日本の軍国化は、最初から最後まで米国の支援と管理下で行われていることである。
日本の軍事化を必要とする米国は最近、ハワイ、カリフォルニアなどで日本軍を連れて上陸作戦訓練をするほどになった。

中国が米国の覇権に挑戦する状況で、米国は日本の力を活用する必要が生じたし、日本は機会を捉えた。
米国は世界で戦略に最も柔軟性のある国だ。
敵や友人を、必要に応じていつでも変えることができる国だ。

米国は1970年代初頭、中共(現中国)を友達として迎えるため、台湾を裏切り、新しい友達の中共をソ連との覇権戦争に活用して勝者となった。
当時の中共はソ連のことが恐くて、米国と戦略的提携をしないわけにはいかなかった。
そんな中、台湾は、国連安保理から追放されただけでなく、国の格さえ失ってしまった。

過去数十年の間、中国は米国が作った国際秩序に順応して、米国の対ソ連戦略の同盟になった見返りとして、強大な経済力を備えた大国に成長した。
米国は今、中国の挑戦を制御する必要のある局面を迎えたのである。

今、中国の挑戦に対抗しなければならない米国には、良いパートナーができた。
米国と中国の間でモジモジしている韓国とは違い、日本が積極的に乗り出した。
麻生太郎日本副首相が言ったように「千年の間、中国と友人じゃなかった日本」は、米国が中国の覇権挑戦を阻止するためには自分が適格として、米国を口説き落とす。

日本が米国に望むのは、日本が再びアジアの最強になることができるよう配慮してくれというものである。
多くの韓国人が、日本の政策を「感情的」に批判しているが、私は日本の戦略は、国際政治の教科書的な原則に本当によく従うものだと見ている。


100年前とあまりにも似ている朝鮮半島の安保状況

それでは21世紀の今日の大韓民国は、上手くやっているのか?

まず私たちは、米国、日本、中国よりも優れた国家戦略を持たなければならない。
力が相対的に弱いので、これを相殺するため、より優れた戦略を持たなければならないのだ。
大韓民国は今、栄枯盛衰の岐路に置かれている。

中国の浮上は、米国が作った自由主義的国際秩序(liberal international order)を忠実に従って活用することによって可能だった。
しかし今、力が増強した中国は、事あるごとに米国の覇権に反する方向に行動している。
中国が米国的国際秩序に順応していた過去20年余りの間、韓国は米国と中国の間で困難になることはほとんどなかった。

中国が米国の地位に挑戦する前、我々は、米国とは安保、中国とは経済という最良の取引をして生きることができた。
これまで米中間で韓国は、なにもかもを獲得した。

しかし、そのような時代は終わりに近づいている。
中国は、米国的国際秩序に政治的、軍事的に挑戦し始め、米国も中国の挑戦を容認しないとしている。
韓国の知識人たちと政治家たちは、まだ安米経中(不合理な概念だが、多くの人々が使うので書いているだけである。米国とは安保、中国とは経済という意味だ)を述べている。
すでにそんなことができなくなったのが、現在の国際状況だということも知らずに。

勉強をたくさんした人が出した一様な結論は、「私たちの国益に基づいてすればよい」ということだ。
知識人らしくない分析だ。
「国益に基づく」というのが「どのようにすること」なのかを具体的に示すのが戦略である。
私たちにはそのような戦略がない。

米国と中国がことあるごとに正面対立して、米国との餅のような同盟を国家大戦略目標(正常国家に、そして強大国への回帰)を実装するための方策とした日本が出てくる中で、私たちは「どのようにすること」が国益を守ることなのかということを言っていない。

最近、有名な新聞の論説で、中国を友人、米国を兄弟と指し示した文章を読んで驚いた。
大韓民国のそれなりの知識人の国際政治の認識レベルに呆れた。
永遠の友人も永遠の敵もないというのが、正常な国家の国際政治原則である。

米国が私たちの兄なので、私たちが友人の中国と少し親しく遊んで、それが兄にとって少し不愉快でも、兄だからそんなことを深く考えることはないという話である。
だから、兄である米国が望むサード(THAAD)配置、TPP(環太平洋経済連携協定)への参加は反対して、友人である中国のAIIB(アジアインフラ投資銀行)、戦勝節出席は問題ではないと考えているのだろうか?

今日、韓半島周辺の国際政治環境は、19世紀後半から20世紀初頭とあまりにも似ている。 
19世紀末から20世紀初頭の世界の覇権国は英国であり、これに最も露骨に挑戦した国はロシアだった。
当時の新興強国日本も、ロシアの東方進出を恐れていた。

つまり英国と日本は、ロシアを制御する必要があるという共通の利害関係を持っていた。
英国はそれまで固守していた非同盟孤立政策を放棄して、1902年に日本と同盟を締結して、日本にアジア地域でのロシア帝国膨張を阻止する役割を任せた。

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世界最強の英国の支持を確保した日本は、1905年に日露戦争でロシアを撃破することで、英国の利益に応えたし、このような過程を通じて、日本は朝鮮を併合し、アジアの覇権国、世界でも認められる強大国になるという利益をすべて手にした。

100年前のロシアを中国に変えて読み、英国を米国に変えて読めば、今日の北東アジアが出てくる。 
「中国の覇権挑戦が恐ろしい米国は、日本の力を活用し、中国を抑制し、日本はこの機会を活用し、再びアジアの強者になろうとする。英国が固守していた孤立主義を放棄して日本と同盟を結んだように、米国は日本の戦後政策を放棄して日本を再び武装させた。」


韓国と中国

韓国は100年前のように弱くはないので、米国と日本の挟みうちを受けた中国が狙う国だ。
韓国外相が米中双方からラブコールを受けていると自慢した。

中国の目には、米国の同盟国の中でつながりが最も弱く見えるので、そしてアメリカを裏切ることができる国だと見たので、中国は韓国に「微笑作戦」を展開しているのである。
韓国は米国と「共に戦争することを約束した関係」なのに、中国はそう見ているのだ。

国際政治のすさまじい動作原理に鈍感な韓国は、中国は韓国の「安保脅威」では決してないというように考えているようだ。
私たちは歴史が重要であると言いながらも、なぜこんなに歴史をすべて忘れているのだ?
日本との歴史は死んでも忘れることのない韓国は、中国との歴史はなぜすべて忘れたのだ?

朝貢を捧げていた時だって、上手くやっていた時だって、あるいはそうでないときだって、自らの必要によって我が国をいつでも武力侵攻した国(あるいは勢力)は、今、中国の領土に位置していた国や民族だったではないか。

今日、中国が私たちによくしてくれる最も重要な理由は、米国から韓国を取り外すためだ。
逆説的に言えば、韓国が米国と親和すればするほど、中国は私たちによくしてくれるのである。
筆者のこの言葉について、私たちも能力が相当あるからだとして、ムッする人もいるだろうが。

私たちも能力が相当あって、米国と中国の間で自主的に行動することができるという人に聞きたい。
そこまで強い韓国が、なぜ北朝鮮にてんてこ舞いするのか?
挑発も北朝鮮は思いのままにしているし、会話も北朝鮮の思いのままだ。
北朝鮮は自分の気持ち次第でいつでも挑発してくるし、状況が不利に見えるといつでも会話できる国だ。
両国をリング上に立ったボクサーに例えるなら、北朝鮮はいつでも不利なときに、勝手に鐘を鳴らすことができる選手だ。
私たちがルールをそのように作った。


米国の立場

今後100年使えるガス、200年使える石油を確保した米国(ジョセフ・ナイ教授のまともな分析である。しかし、米国コロラド州、ユタ、ワイオミング州に分布しているシェール石油既存量だけで、米国が300年以上使うことができる量があると見る専門家もいる)は、今後も長い間、覇権の地位を確保できることになったし、だからいちいちあちこち国際問題に介入する必要がないという主張も出ている幸せな状況を迎えている。 
21世紀の大勢は中国ではなく、米国だということは確実であり、苦労して同盟政策を追求する必要もなくなったという主張も出始めた。

事実、中国の浮上は、中国の周辺のほとんどの国が、更に積極的に米国との同盟を強化する現象を作り出した。
日本とオーストラリアなどの伝統的な同盟国はもちろん、米国を追い出したフィリピン、米国と戦争していたベトナム、米国とあまり仲が良くなかったインドなどがすべて、米国を引き込んでいる。
中国との覇権競争に、確実な同盟軍が自然に形成されたものである。

米国のアジア政策の基本は、アジアの3大強国である中国、日本、インドのうち、少なくとも一つの国をアメリカの味方として取りまとめておけば良いというものである。
アジア3大強国の一つと同盟を維持することは、アジアでバランスを保つことができる最小限の方策である。
今、米国は、熱烈な日本と、確実に米国へと傾いているインドを確保して、特に中国を牽制するために千軍万馬のようなベトナムを米国の戦略メンバーとして確保した。

中国の問題が本格的に現れ始めた2015年、米国は逆に、資源の確保、創造的な経済力、強大な軍事力などで、21世紀が米国の世紀であることを保証されているのに加えて、中国周辺のほぼすべての国が米国の味方をするという余裕のある状況を迎えている。

米国の情熱的な同盟国となっているインド+日本+ベトナムの人口、経済力、軍事力は、中国よりも強い。
このように余裕のある状況に到達した米国は、これまで確実な戦略要衝とみなしていた韓国が、米国から離れて完全に中国の味方になっても、あまり損がないと考えるかもしれない。

すでに韓国は最終的に中国の側に入ると予測した米​​国の戦略レポートが複数ある。
米国が韓国にラブコールを送っていると考えている外相がいて、韓米両国を兄弟と比喩する韓国人識者もいるが、米国は韓国が重要な国ではないと考える状況を迎えているのだ。
もしかしたら米国は、韓国のことを同盟の信義を捨てた国だと思っているのではないだろうか?


韓国の戦略的選択

去る8月14日、安倍晋三日本首相は敗戦70周年談話で、日本の軍国主義がアジアに希望を与えたと美化して、私たちの怒りを買ったが、日露戦争で日本が勝利したことを見たインド人は、アジアがヨーロッパに勝ったという事実に歓呼したし、インド独立のための実力を養うため、英国の代わりに日本を学ばなければならないというインド人がいたことは否定できない事実である。
米国は今回の安倍談話を積極的に歓迎すると述べた。

21世紀の現在、アジアの国際政治状況は、英国と米国に、ロシアを中国に変えて読んでもいいほど、19世紀末のアジアと似ていると述べた。
覇権国アメリカに挑戦する中国、これを脅威に感じる米国、脅威を受けている国として米国を助けてアジア地域で米国の地位を維持する戦いの先頭に立つという日本、日本にその地位を積極的に任せてもいいと思う米国など、すべての国が大戦略を達成するための戦略計画を策定するのに忙しくしている。

中国が米国に挑戦すること、米国がこれを制御すること、その隙間を利用して再び大国に成長しようとする日本の戦略は、世界戦略の歴史教科書のように繰り返し現れたことの、21世紀バージョンだというだけだ。
最高級の大国になるために(中国)、その地位を維持するために(米国)、また再び取り戻すために(日本)努力している最中である。

このように、強大国が自国の大戦略目標を設定して競争する中、真ん中に置かれている韓国は、果たして戦略的に行動しているのか。
中国、日本、米国の行動は、国際政治の原則に忠実に従うものである。
ところで、私たちの戦略もそのように冷静だろうか?
私たちは21世紀の国際政治の大勢をしっかり読んでいるだろうか?

過去20年の間、国際政治の大勢は、中国の浮上、米国の没落だった。
今このような見解は、急激に折られている。 
21世紀は中国の時代とはならず、米国は21世紀の終わり頃でも覇権国であるという見方が急速に広がっているというのが、新しい大勢だ。
こういったことを正確に、そして迅速に認識し、対処しなければならないのではないか?


李春根

引用ソース
 http://www.chogabje.com/board/column/view.asp?C_IDX=63202&C_CC=BC



韓国人のコメント


・久しぶりに見る春根ブラザーの卓見だ。
ありがとうございます。
ブスな主君(*パククネのこと)の親中反日外交政策の叱責。
風前の灯である大韓民国の現実を心配される春根兄の卓見に絶対共感する。


(*パククネは)女子高生レベルの知的能力しかないのに、戦略的思考?夢のまた夢である。